この1ヶ月ちょっとかけて大きな木桶に仕込み中です。
なかなかの重労働なんです。
醤油作りで最も大切にされている麹づくり。
明治期から使い続けている杉桶にこの地域で採れた大豆や麦を使って『もろみ』を作る作業です。
『もろみ』とは、大豆や麦、米などを菌を使って発酵させて、トロトロにした状態のことを指します。

福岡県産の大豆と麦を使用
蒸した大豆を冷まして、適温にしてから粉砕した炒り麦を丁寧に混ぜ合わせます。
大豆と炒り麦は、例えならば『土』。
この土の出来不出来で、麹が良く育つかどうかが決まります。
『土』が出来上がったら、そこへ『土』にまくタネ=『種麹』を播きます。
種麹がもっと繁殖できる適温・適度にした麹室に入れて、さらに混ぜ合わせた『土』がふわふわの状態になるように定期的に3日間かけてかき混ぜ、あったかくふんわりした土壌で麹菌を増やしていきます。

3日かけて室で増殖させた麹菌
杉桶の中の塩水にこの黄色く色づいた麹を漬け込んでいきます。
あとは3年ほど掛けて良くかき混ぜ、しょうゆもろみをつくるのです。
このもろみを絞って醤油にできるのは2024年です。
楽しみ楽しみ。
この時期、醤油屋にとって蔵が一番いそがしい時期です。
味噌の仕込みができません。
大豆や米を持ち込んで、味噌仕込みをご依頼の方は、5月くらいから仕込みが可能となりますので、あしからず。