味覚のゆくえ
テクノロジーを使って自分にあった情報を得ることはとてもローコストでできるようになりました。それに加えて、その情報のあとの行動も、パーソナルで多種多様・千差万別になりつつあります。
最近では、このコロナ流行のなかで世界的に飲食店のデリバリーが急激に立ち上がっています。例えば、個々の食生活に合わせてレストランや料理を見つけるための「パーソナライズド・オーダリング」アプリが開発されています。イタリアではアレルギーを持っている方やベジタリアン、ビーガンに対応しているレストランをアプリで検索することができるようになりました。食物アレルギーや食物不耐症の方が自分に合ったレストランを探すこともできるようになりました。
私にとってのおいしさを
もっと踏み込んで言えば、「みんなの最大公約数的なおいしさ」ではなく、「私にとってのおいしさ」をカンタンに手に入れる時代になりつつある、ということ。
むかしは、甘さや塩からさは、食べものを探す手がかりにしていました。苦さ、酸っぱさは、有害なものを防御する役割でした。しょうゆやみそも、ちょっと匂いを嗅いで味見をしただけで、これは悪いカビ・これは身体にいいカビってすぐ判別できました。
今、その判別能力をAIというものすごい頭脳で解像度を上げた、まさにパーソナルな『おいしさ』を数値化できるようになってきています。
キッコーマンでは、しょうゆの香りや味の特徴を「フレーバーホイール」として体系化!ある食品から感じられる香りや味の特徴を、その食品に関わる人や愛好者が香りや味について共通認識をもつためのツールとして公開しています。ニチレイでは、個人の好みと心理的要素を掛け合わせてデータ分析することで「見える化」。その人に合ったメニュー提案など、さまざまな「おいしさ」のレコメンデーションで食をもっと楽しくするプログラム”onomeal(このみる)”を開発しています。
『食べる』を楽しむ
渋沢栄一の言葉に、『衣食住楽がないと人間は生きて行けない。楽を趣味としている。』というのがあります。衣食住も、味覚をシェアしたり、味覚をエンタメ化したりして、『食べる』を楽しむことでもあると思います。味覚とは、『とても主観的で身近な楽』です。
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