恥ずかしながら、今まで化学物質PFASのことを知りませんでした。
ここで少し勉強もかねて、まとめたいと思います。
みなさん良くご存知のマクドナルド。ファーストフード世界最大手です。
その米マクドナルドは1月13日、2025年までに全ての包装・容器からPFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)を全廃すると発表しました。

マクドナルドがFPASの使用を禁止
また、小売業世界最大手のアマゾンも12月1日、自社ブランド「Amazon Kichen」の食品製品の包装・容器で同じくPFASの使用を禁止しました。

アマゾンも食品製品の包装・容器で同じくPFASの使用を禁止
PFASは、1940年代頃から普及していった化学物質で、水や油をはじく、熱に強い、薬品に強い、光を吸収しない等の特性を持ち、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等に幅広く用いられてきています。
口にするものや料理の際に注意が必要なの?
すぐ思い浮かぶのが、フライパン。
こびり付きにくいフライパンのフッ素樹脂製造時の助剤として使用されていたPFOA(ペルフルオロオクタン酸)という物質は、 残留性有機汚染物質の扱いを規定したストックホルム条約という国際条約の廃絶リストに追加することが決定されています。
安定した構造であるため環境中で分解されにくく、高い蓄積性があることから、人や生物に対して有害性が高い懸念があり、世界的に規制対象となっています。
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)は、少しづつ化学結合が異なりますが、要するに有機フッ素化合物です。
POPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)にて
- PFOSは2009年にPOPs条約の対象物質に追加されています。
- PFOAは、2020年12月3日に規制の対象になりました。
- PFHxSは2022年に対象とされる可能性があります。

料理の際に注意が必要なの?
今回マクドナルドやアマゾンが使用を禁止する方向で動いているPFASは実際には数多くの化学物質の総称です。
PFASには4,730種類以上があり、特に有名なのは、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)とPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)の2つ。
つまり、すでにPOPs条約で規制対象になっているものであり、それをマクドナルドやアマゾンは先取りしたかたちで禁止しようとしています。
PFASは体に悪い?
PFASの健康への悪影響では、同じく欧州食品安全機関(EFSA)の報告書によると、PFOAは血清総コレステロールの増加、PFOSは成人の血清総コレステロールの増加や子供のワクチン接種での抗体反応の低下が特定された。血清総コレステロールの増加は、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、甲状腺機能低下症、肥満他につながる。他にも、PFOAとPFOSの双方で、出生時体重の減少、PFOAで、肝酵素アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の高血清値の有病率の増加について、リスクがあると判定されている。
なぜ、マクドナルドやアマゾンはPFAS全般を禁止にしたの?
マクドナルドの決定の背景には、米消費者NGOのSafer Chemicals, Healthy Familiesが2020年8月に、マクドナルドの「ビッグマック」と、バーガーキングの「ワッパー」の包装紙から、PFASが検出されたと発表したことが大きな契機となりました。この発表では、種類を特定せずに「PFAS」の用語で企業を批判したことで、「PFAS全般が問題」という感覚が社会に広がり、企業には、PFOAやPFOSではなく、PFAS全てを廃止するよう要請される事態となりました。アマゾンも同様の動きで禁止が発表されました。
ユーザーや消費者の見えざる目が、世界最大手の企業たちを動かしているとも言えますね。